NANIWAシンデレラ
「シンデレラ、掃除が終わったら今度は窓拭きよ。」
「窓拭きが終わったら次はアイロンかけね。」
(いくらウチが居候とはいえ、この仕打ちはあんまりや・・・)
何時もどおり2人の姉にこき使われるシンデレラでしたが、ここでくじけるものかと
頑張っていると、向こうの居間のほうからキャーキャー声が聞こえてきました。
「これなんかどうかしら?」
「まぁ、よく似合ってる。姉さまってどんなドレスを着ても様になるわぁ」
「あなたこそそのドレス、きっとみんなの目を釘付けにするんじゃないかしら」
「もう、姉さまったら」
「今夜も社交パーティーか、うらやましいなぁ。ウチも一度でいいから行ってみたいわ」
そうシンデレラがつぶやくと、
「その願い、叶えてあげましょう」
突然部屋に魔法使いが現れました。
「わ!どこから湧いてきたんやこのオバハン」
「オバハンは失礼ね、せっかくあなたの願い事を叶えてあげようと思ってるのに」
「うそっ、ホンマに叶えてくれるん?」
「お安い御用。まずはこの契約書にサインして」
「どれどれ・・・ってこれ新聞の購読申し込み用紙やないかいっ!」
「あらっ、ばれちゃった。ね、せめて一ヶ月だけでも契約しない?」
「お断りします。」
「ん〜残念。まあ契約無しでも一応願い事叶えてあげる。じゃ、ついてきて。」
「何かえらい、投げやりな態度やなぁ」
家から歩くこと10数分
「ここよ、好きなドレスを選びなさい」
「うわぁ、夢みたいや。じゃあ・・・・これにしよう」
「レンタル料〜円になります」
「あの、お金、」
「自分で出しなさい」 「ぐっ」
(うう、なけなしの貯金が・・・。契約しないっていってからえらい態度かわるなぁ)
「で、これがかぼちゃの馬車」
「ただの電車にしか見えないんですけど」
「ぐだぐだ言わずに乗りなさい」
「一つ言っておくけど、12時過ぎると帰れなくなるわよ」
「終電無くなるって事ですか?」
「ストレートに言うとそうね。じゃ、私はまだ仕事があるから」
そう言って魔法使いは行ってしまいました。
(ドレス着て電車に乗るのめっちゃ恥ずかしい・・・)
パーティーについたシンデレラは注目の的となり、その気さくな性格と家庭的な所を気に入られ、
見事意中の男性のハートを射止めることができました。
めでたしめでたし
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